京の厄除け 

8月16日の大文字の送り火も終わり、京都の夏も終盤を迎えています。
先日の祇園祭のちまきをいただきましたので、京都の厄除けについて・・・

祇園祭のちまきは食べるものではなく、中にお餅は入っていません。
毎年祇園祭の日にいただき、厄除けとして1年間、家の軒下にあげておきます。

表に「蘇民将来之子孫也(そみんしょうらいの子孫なり)」と書かれているのは
神様が旅人に姿を変えられ、蘇民将来という人に1夜の宿と食事を供されたお礼に
疫病が流行っても、「蘇民将来の子孫なり」と書かれた家のものは守ると約束なされたという
神話からきています。
この神様を祀っておられるのが、祇園祭を行われる八坂神社です。
祇園祭も疫病を鎮めるために行われたものですので
祇園祭のちまきは、とても御利益がありそうですね☆

このちまきは、放下鉾の囃し方さん(鉾にのってお囃子をされています)からいただきましたので
「放下鉾」と鉾頭の日・月・星を表す、すはまのようなマークがついています。

8/16 大文字の送り火の日には、杯に入れたお酒に「大」の字を映して
こぼさずに飲むと、中風にかからないそうです。
また、大文字の消し炭を粉にして飲むと病気にかからないそうです。

夏場なのにインフルエンザが流行っています。
京の厄除けの御利益が、皆様にありますように。



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「京焼・清水焼」について 

「京焼・清水焼」についてご説明します。
京都で作られた焼き物は、土物も石物もすべて「京焼・清水焼」と呼ばれます。

「京焼」というのは産地名です。
信楽で焼かれたものは「信楽焼」、備前で焼かれたものは「備前焼」と言うのと同じです。

「清水焼」というのはもともとは商品名だったのですが、全国的に知られるようになり
「京焼・清水焼」と統一されるようになりました。

「京焼」=「清水焼」で、別のものではありませんので
「京焼」と呼ばれても、「清水焼」と呼ばれてもどちらでも結構です。

他に「京物」という言いかたもします。これは「京都で作られた物」と言う意味です。
「瀬戸物」が「瀬戸で作られた物」と言う意味であるのと同じです。
陶器=瀬戸物ではありませんのでご注意ください。

焼き物は日本全国各地に産地があり、それぞれ各地に独特の特色があります。
そのため名称は、産地を表し、特色を表す重要なものとなります。
成形方法や技法も各地でさまざまです。ロクロの回転の方向もちがったりします。
これは昔の藩制によるもので、技法も門外不出だったせいによるものです。
ロクロの回転がちがうのは、足で蹴って回転させていたり、縄で回したりしたところによるものです。
回転を作り出す専門の人と2人がかりで成形していた産地もあります。

「京焼・清水焼」の特徴は、成形から絵付けと、完成まですべて手作りされるところにあります。
当陶房でも上の写真の物のように、1つ1つロクロ成形し、はんこを押したり、彫りを入れたりしています。
そのため、同じものでも1つ1つに、少しずつほんの小さな個性が現れます。
手になじむ繊細さや、あたたかみは、そこから生まれるのでしょう。

「京焼・清水焼」は京都に都があった室町・桃山時代の雅で華やかな文化の中で茶の湯とともに発展しました。
そのため、生活雑貨というより工芸品としての色彩がつよく
より繊細に・・・より華やかに・・・というところに特徴があります。

「京焼・清水焼」が皆様の日々の生活シーンに、より華やかな彩りを添えることを心より願います。


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貫入(かんにゅう)について 



陶器(土物)の表面にできる貫入(かんにゅう)についてご説明します。

これは「ひびわれ」ではなく、土物の釉薬表面上に現れるもので「貫入」といいます。
土物(陶器)独特のもので、石物(磁器)には現れません。

1200℃で本焼き焼成されたあと、溶けた釉薬がガラス状に冷め固まっていくとき発現するもので
生地と釉薬の収縮率のちがいによってできるものです。
これは1度に入るのではなく、温度が常温にまで徐々に下がっていく過程で少しずつ入ってきます。
その時、鈴を鳴らすような、高音のきれいな音がチリ、チリとします。
窯のふたを開けたとき、窯出しをするときは、窯場に音があふれます。
温度が下がるからです。貫入が入っていく音です。窯出しの楽しみのひとつでもあります。
その後しばらくは音がします。1週間後、1月後、音がすることもあります。

土物の陶器は、この表面上の貫入を景色として楽しみます。
貫入の出具合は、釉がけのときの濃度により多少調節できますが
温度が下がっていく過程で自然に発現するものなので、人為的操作ができるものではありません。
季節によってもちがってきます。表面温度の下がり方なのでしょう。
そのため、1つ1つの個性として重要なものとなります。

土物の場合は吸水率が高いので、最初貫入が入っていないように見えても水に通すと見えてきます。
これは貫入が入っていなかったのではなく、焼きあがって窯から出されたままの物であり
水を通されていない、誰にも使用されたことがないということです。

土物の湯のみやコーヒーカップの場合は、茶渋やコーヒーの色が貫入に入り込みますが
最初から黒や赤をしみこませ、貫入を模様とする技法もありますので
使い込まれたお抹茶茶碗同様、愛着を持って大切にお使いいただいた証となりますが
どうしてもおいやな場合は、キッチンハイターで落ちると思います。

「貫入」は土物独特のものなので、土物の持つあたたかみ同様、風合いとしてお楽しみください。
決して「ひびわれ」とおっしゃらないでください。・・・作り手として悲しくなります。
土物の陶器が貫入と共に、愛されることを願います。













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土物(つちもの)の器について、「おすすめ:夏の陶器の使い方」 

今年は長い梅雨が続きます。
京都では祇園祭の山鉾巡行が終わると、夏のはずなのですが・・・

今日は、土物(つちもの)の器についてご説明させていただきます。
焼き物は「陶磁器」と言い、「陶器」と「磁器」があります。
これは、使われている粘土の違いで
陶器=土物(つちもの)、磁器=石物(いしもの)と言います。
土物はやわらかく、あたたかみがあるのが特徴です。
石物は白く、薄く、硬質さがあり、繊細さが特徴です。
石物と土物では、本焼きの焼成温度も違います。(石物のほうが高い温度で焼きます)
収縮率も違います。土の練り方(菊練り)も少し違います。

京都で作られているものは、土物も石物もすべて「京焼・清水焼」と呼ばれます。
石物は、一般に「清水焼」として思い浮かべられる呉須(青い絵の具)で山水などが描かれたものや
    中国の景徳鎮のものなどが有名です。
当陶房では、陶土を使用して陶器=土物を作っています。

「おすすめ:使い方」
土物の器は保温性が高いので、夏の暑い時期には冷蔵庫で冷やしておきます。(お急ぎの場合は冷凍庫で)
手で持って冷たく感じるほど冷やしておくと、アイスクリームを盛っても溶けにくく
冷たいお茶やジュースも氷がいらないほどです。☆溶けた氷で薄くならないので最適です☆
暑い夏には、「幸せ!」と感じるほどです☆
1度おためしください。あまりご存知ないので、おすすめします。








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サンドイッチ 

蒸し暑い日は、あっさり野菜のサンドイッチで☆

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